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2004.08.05

音楽ひとりごと(6)YUMING

YUMING(荒井由実・松任谷由実)

私のYUMING(ユーミン)との出逢いは浪人中の1975年だ。当時、東京唯一の民放FM局「FM東京」(現TOKYO FM)から流れて来たのがアルパム「MISSLIM」の「生まれた街で」「瞳を閉じて」「やさしさに包まれたなら」などの一連の曲だった。詩も曲もそれは確かなものだったが、何よりバックのキャラメル・ママの存在が大きかった。そして、それは既に松任谷正隆のアレンジによるものだった。それはそれまでのいわゆるフォークともロックとも違う、あか抜けた、拡がりのある斬新なサウンドだった。

間もなく次のアルバム「コバルト・アワー」がリリースされたが、のっけのタイトル曲のプロペラ機の効果音に胸躍ったものだ。
ファースト・アルバム「ひこうき雲」を聴いたのはその後だが、それはいかにも未熟なものだという印象だった。たぶん、それを最初に聴いていたら、かなり彼女に対するイメージは違うものになっていたと思う。その後の彼女への深い思い入れは、なかったかも知れないと言えるくらいだ。一度固定観念を持つと、頭から毛嫌いする傾向が私にはある。

とにかく、最初に聴いたのが「MISSLIM」だったから、かなりのめり込むことになってしまった。前述のハイファイセットの存在も相乗効果をもたらしたと思う。その輝きは、81年のミニアルバム(30cm/45RPM の当時のはやりのスタイルだった)「水の中のアジアへ」の頃まで続いた。

ストリングスを多用し、生身の人間が弾く、ひとつひとつの楽器の音が輝いていた、アナログな音作りが懐かしい。今も松任谷正隆氏のアレンジは続いているが、目新しさやデジタル処理にばかり重きを置かれているようで、胸を震わせるような感動がない。もちろん、それが今の彼女なのだと言うべきなのかも知れない。昔の彼女に触れたければ、昔の曲を聴けば良い。ただ、彼女にかわる優れたアーティストが出ていないのも事実だ。

ここまで書いて気付いた。私にとっての「YUMING」は、彼女の詩や曲や歌だけでは成り立たない、正隆氏のアレンジによってはじめて存在しうる作品群の総称だということだ。

かつての「YUMING」に触れたい私は仕方なく、昔パソコン通信時代に作ったカセットを、今でも愛車の中で鳴らすのである。このカセットのことは、またパソコン通信の話としてまとめて書こうと思う。

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