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2004.08.11

パソコン通信

1990年代前半は、インターネットの夜明け前であり、知る人ぞ知るパソコン通信の全盛期だ。電話線を使ったアナログ通信は、今の1000分の1ほどの通信速度で、文字だけのやりとりが全てだった。通信をしている間は、回線を占有するため、電話は通じなかった。パソコン通信の運営は、@nifty(アット・ニフティ) の前身「ニフティ・サーブ」などの大手のほか、個人レベルで成り立つ「草の根BBS」というものが全国的に数多くあった。

私が参加していたのは、ニフティ・サーブと、草の根BBS のひとつ「ひかりNET」だった。これは練馬区光が丘の公団団地に住む「ISO(イソ)」氏が運営する家族的な雰囲気のあるもので、文字だけの掲示板が話題のジャンルごとにいくつかあり(フリートーク、音楽、アニメ、俳句、自動車、アマチュア無線などなど)参加者は自由に現在の掲示板のように書き込みを楽しんでいた。
その中でも私は「音楽」の掲示板の担当者(シグオペと呼ばれた)になり、話題を提供したり会員の書き込みにレスをしたりの役目を任されていた。

その中で生まれたのが「KUMA・コレクション」と呼ばれた、私の選曲で作ったカセット・テープのシリーズだ。その時々の季節にちなんだもの、アーティスト別のもの、ジャンル別のものなど、数多くのコレクションができた。もちろん、まだ音楽のやりとりなど不可能だったが、どんな曲を選んでどのように並べたかを文字で書き、みんなに紹介した。なんとも幼稚なことだが、それにまたコメント(レス)をもらったり、ほかの人が「私ならこうする」と違うアイデアを紹介したりして、結構盛り上がったものだ。

また、もうひとつの楽しみが「オフ・ミーティング」と呼ばれた、会合だった。これは通信が「オン・ライン」なのに対しての「オフ」のミーティングという意味だが、つまり、実際に顔を合わせて話し合うものだった。そこで普段文字だけでやりとりしている人がどんな人なのかを知ることになり、意外性を楽しんだりしたものだ。中には女性の名前を語った男もいて「実は・・・」と自己紹介して大笑いし、その人に「失恋」した人もいたとか。毎月のように池袋でカラオケパーティーをしていた。

そしてその「オフ・ミ」でカセットの貸し借りをして、実際に聞かせ合うこともできた。アナログな時代である。
ユーミンは全6巻、そのほか初夏の季節もの"May Breeze" や秋の"Autumnal Tints"、クリスマス曲集などなど。自分の好きな曲を並べたのだから、不思議なことではないが、私にとってはこれらのカセットは今でも「現役」なのである。90分テープを使うことが多かったので、MD にもCD にも移行することが面倒なせいもある。その結果、私の車のオーディオは純正やオプションにもない、カセット・CD・MD 全てが聞けるものにしてある。最近ではこのようなものはあまりないだろう。(MP3 というものが台頭しつつあり、iPod の音をFM で受信して聞いてもいる)

今ではこのようなコレクションを作るのもCD-R を使うことになるだろうが、まだまだカセットも捨てられない私である。
そして、このパソコン通信時代から続く友人関係も大事にしていきたいと思っている今日この頃だ。

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