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2005.02.26

音楽ひとりごと(17)ポリーニ

マウリツィオ・ポリーニ [ピアニスト]

私が最初にポリーニの音楽に触れたのは、1972年録音のショパン「エチュード」のLPを聴いたときだった。 当時私は高校生。 ピアノの先生は私を極めて長い目で見て下さっていたので、「弾きたい曲を楽しんで弾きなさい」という指導の元、私は無謀にもエチュードOp.10-3「別れの曲」に挑んだのだった。

  私のピアノのことはともかく、この「別れの曲」を聴くために、発売されたばかりの話題盤だったこのLPにめぐり逢ったのだ。 とにかく凄かった。 タッチの正確さはもちろん、切れの良さはそれまで聴いたことのない迫力だったし、なおかつ情感溢れる表現力を感じた。

  ポリーニは1960年のショパン・コンクールで優勝したあと、しばらくレコード的には長いブランクがあった。 優勝記念で残されたアルバムには、私の好きなコンチェルトの一番や、バラード、英雄ポロネーズなども収録されているが、やはり若々しいながらも、技術的にはほかのピアニストの比ではない。 審査員のルービンシュタインさえ、「我々の誰よりうまい」と評価した、とライナーノートに書かれている。

 満を持しての「エチュード」は、当時かなり話題になっていた。 私としては理屈ではなく、聴いていて気持ちが良かった。 ストレス解消のために、ヘッドホンをつけて、大音量で何度聴いたことか。 例えて言うなら、白鳥が優雅に水に浮いているその水面下で、必死に足で水を掻いている様子に似ている。 美しいメロディーを支えるたくさんの音の動きが、私の心を揺さぶった。 そして、間もなく発表された「プレリュード」と共に、私の愛聴盤になった。

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コメント

>例えて言うなら、白鳥が優雅に水に浮いているその水面下で、必死に足で水を掻いている様子に似ている。 美しいメロディーを支えるたくさんの音の動きが、私の心を揺さぶった。 そして、間もなく発表された「プレリュード」と共に、私の愛聴盤になった。

いつにない(失礼)、くまおじさんの文学的表現に、おもわず「別れの曲」が聴こえてくるようでした。 
私にとって、バッハの無伴奏チェロ組曲は他の誰でもなく、ロストロボーヴィッチさんです。異論はお有りかと思いますが。敢えて表現はしません。いえ、心がそう感じるだけで今は表現は出来ません。(^~^;)
暖かな部屋でゆったりと、ショパンのエチュードをポリーニさんで聴きたくなりました。

投稿: Marguerite | 2005.02.26 03:39

Marguerite さん、こんにちは。

文学的な表現ですか? これってその昔、星飛雄馬が言っていたような気が。(^^;)

ポリーニ、是非聴いてみて下さい。

投稿: uncle bear | 2005.02.26 22:16

文学的表現者?は星飛雄馬さんでしたか。(^~^;)
それは飛んだ失礼をばいたしました。
はい、早々に。

投稿: Marguerite | 2005.02.26 22:44

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