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2005.05.30

私のお気に入り(14)ちばてつや

ちばてつや [漫画家]

  私のちばてつや作品としての最初の記憶は、小学館の「小学◎年生」シリーズ(だったと思う)の連載で読んだ「ユキの太陽」だ。 お転婆で愛すべきキャラクターの少女「ユキ」の生い立ちの秘密、アイヌ問題、貧富などなど、子供向けのマンガとは思えないようなストーリーや意外な展開に、いたいけな少年だった私の心は揺り動かされた。

  ちばてつやの描くキャラクターは、子供は天真爛漫で子供らしく、父親はあくまで父親らしく、母親は限りなく優しく、極めてシンプルな設定であるにも関わらず、人間にはそれぞれ多面性というものがあって、そんな単純な話ではない、ということを子供心に思い知らされるような、厚みのあるものだ。

  ちばてつやの代表作はなんと言っても「あしたのジョー」なのだが、私個人としてはこの物語の良さがあまりわからない。 むしろ、戦争の悲惨さを描いた「紫電改のタカ」や、愛すべき石田国松の「ハリスの旋風(かぜ)」、そして「アリンコの歌」「1・2・3と4・5・ロク」などが心に残っている。 みな恵まれない環境の中で健気に生きる様子を題材にしている。

  子供の頃に夢中になって読んだ雑誌の連載だったが、大学生の頃、ちばてつやの全集が講談社から単行本サイズで発行され、バイトの収入である程度買い揃え、残すことが出来たのはラッキーだった。 何度かの引っ越しでも処分することなく、今でも愛蔵書として本棚に並んでいる。

  私は今では全くと言っていいほどマンガを読まない。 読んでも四こまマンガ程度だ。 私好みのキャラクターがいない、画調が汚い、ストーリーに興味を持てない、など理由はいろいろある。 そして、ちば作品にますます愛着が湧くのである。

  余談だが、「ユキの太陽」の登場人物を見直すと、野生のように育った主人公に、病弱なお金持ちのお嬢さま、大きな犬、牧師、ひげ面の父親、山小屋のような貧しい家などなど、ストーリーこそ全く違うが、後の宮崎アニメ「アルプスの少女ハイジ」と共通するものが多いのは、偶然だろうか。


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受信: 2005.06.06 23:11

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