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2005.09.06

軽井沢こぼれ話

  今年もなんとか軽井沢に行けた。 今回の一番の目的は、信濃追分に滞在する老婦人を訪問することだった。 昨年お世話になった北軽井沢の恩師は、既に東京へ戻られていた。 もう九月だから当然だ。

  本当の避暑というのはひと月もふた月も滞在するものだ。 この婦人はそれを毎年ここでなさっている。 もう八十歳を過ぎているが、車のハンドルを未だに握り、日曜礼拝や近所への買い物へ出かける、お元気な方だ。(東京からの往復は、別荘の管理人に運転を頼んでいると聞いた) 母とは教会が違うが、婦人会つながりでおつき合いがはじまったらしい。 もうご高齢なので、その口調は弱々しく、耳をそばだてないと聞き取りにくいほどなのだが、その話の内容は耳を疑うほど面白い。

  何年か前の話だそうだが・・・その日東京の自宅に手を入れるため、大工さんが数人来ていた。休憩時に盆にのせたお茶を、済んだら車のトランクの上に置いておいてね、と言って出したという。 ところが、婦人はそれをすっかり忘れて近所に買い物に行くため、そのまま車を走らせてしまった。 そして、信号待ちしていたとき、バイクに乗った青年が、運転席の窓をコンコンと叩き、何かと思ったら、「あの〜・・・。湯飲み茶碗を運んでるんですか?」と言う。 はっと気付くとなんと、田園調布の自宅から二子玉川近くまで、落とすこともなく、盆ごと走っていたのだという。

  婦人の車は国産のセダンだ。どんな車でもトランクの上は真っ平らではない。 お年だから急発進、急ブレーキはしないとしても、坂を上り下りしたり、角やカーブを曲がったり、よくも落とさずに走れたものだ。 そして、その光景を見た回りの人は、いったいどう思っただろう。 どんな趣向なのか、はたまたドッキリ・カメラ? そんなことを考えれば考えるほど、笑いがこみ上げてくる。

  長い人生を過ごされて来たから、歴史上の話題も飛び出す。 少女時代の226事件のときの話はここにはとても書けない話だ。 そしてあたりまえのように高貴な血筋の方たちまで登場する。 そんないろいろなエピソードを、にこにこと楽しそうに続ける婦人なのだ。

  来年も是非いらっしゃいと何度も念を押され、帰路に着いた。 婦人も母も元気だが高齢だ。 どうかまた、楽しい時間が持てるように、それぞれ健康で来年の夏を迎えられるように願わずにいられない。 自分の健康ももちろんだが。

昨年の軽井沢

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