大町正人・ますみジョイントコンサート 2010
毎年1月に開催されることが多かった、大町夫妻のコンサートが、今年は3月1日にありました。 会場は横浜みなとみらい(小)ホール。 旦那様はコーラスグループ「ボニー・ジャックス」を退団して、もう7年だそう。 数々の病気を抱えながら、横浜でコーラスの発展に地道な努力を続けている方。 夫人は私の「フレーベル少年合唱団」在籍時の恩師。 もちろん芸大出身の声楽家として今でも活躍されている方ですが、お二人とも古稀を過ぎてなお、年に一回のジョイントコンサートを続けられていることは、たくさんの方に力を与えてくださっていると思います。
毎年楽しみと共に、ちょっぴり不安を感じながらコンサート当日を迎えるのですが(先生ごめんなさい)、今年はさらに年頭に正人さんが腰を骨折されたということを聞いて、本当に心配しました。 しかし、不死身の男は車椅子で登場。 「直前まで病院の天井ばかり見ていた」(ご本人談)とは思えないベルベット・ボイスが会場に流れました。 花粉症のせいで私はにじみ出る涙をふきふき、ステージを見なければなりませんでしたが、開演一曲目の「花(春のうららの隅田川〜)」をお二人で歌った後、正人さんおひとりのステージになったとき、応援に駆けつけてくださったという、早大グリークラブ時代の同級生や主宰している「帆船日本丸男声合唱団」のメンバーをバックに歌われた「おやじの舟歌」では、本当に感動しました。
いつもと違うのは正人さんの殊勝なことばでした。 いつもは照れながら義理で言うようにしていた奥様への感謝の気持ちを、今回は何度も、自然に口にされていました。 それだけ、今回のけがと入院生活が大変だったのでしょう。 それでも揺るがないご夫婦の愛情に、拝見している私たちも幸せをいただくことができます。
一部は正人さんのお気に入りの作詞家、山川啓介氏(会場にもいらしていました)の曲集。
二部はますみ先生の歌曲「女の愛と生涯」(シューマン/シャミッソー)。 今回のこの曲集は、先生のお声にとても合っていたと思います。
休憩をはさんでの三部はおなじみの曲のデュエット集。
カーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」「トップ・オブ・ザ・ワールド」、先生とジュリー・アンドリュースのイメージが重なる「エーデルワイス」などなど、息のあったデュエットを堪能しました。 欲を言えば「A Whole New World」(映画「アラジン」のテーマ)が聴きたかった・・・。
毎回感じているし、以前にも書いたことですが、今回のコンサートが無事に終えられたことを、一ファンとして心から感謝し、今後も永くこのコンサートが続けられていくことを願っています。
終演後、一目お会いしたいと楽屋に寄らせていただきましたが、正人さんに「来年も楽しみにしています」とつい口にしてしまいましたが、力強く握手していただきました。
ありがとうございました。
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